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By German Muñoz

By Germán Muñoz

ワイン誌掲載記事 by Louis Havaux

 

5年前、ヘルマン・ムニョス氏に初めて会った。カスティーリャ・イ・レオン州のD.O.(原産地呼称)に認定される名高いブドウの産地、“リベラ·デル·ドゥエロ”産ワインのプロモーションに携わっていた時だった。彼は数多くの学位を取得していたが、中でも農業エンジニア、醸造学修士、ブドウ栽培、ワインマーケティング等、それらがフランス、スペインのペスケラ・グループ、またブリュッセルの欧州委員会に於ける彼のプロとしての経歴だった。このテロワールに情熱を注ぐ若者は彼自身の企業「テロワール34」を設立したばかりだった。また彼はベルギーでベルギー人の妻と出会い、そこは彼の第二の故郷となった。今では彼らは二人の愛らしい子どもに恵まれている。

 

なぜ34?34は単に海外でスペインを表す国際コードである。それはまた“D.O.(原産地呼称)Ruedaの土壌についての研究”が評価され大学より賞を受けた彼自身のルーツへの回帰を表している。彼は自身を "ワイン&テロワール(土壌)コンサルタント"と表現し、マティスに着想を得たラベルにサインをする。次のフレーズはそれを良く体現している:「このプロジェクトで私は、最高に純粋なテロワールを選択した。私のワインがあなた達に彼らの歴史を全て物語ってくれるように。」

 

この達成のためにもヘルマン·ムニョスは、自家栽培したブドウをワインに醸造し商品化して市場に出すため、優れた生産者らと協力した。リベラ·デル·ドゥエロ産ワインの集まりの場で彼が代表であった際に再び会い、彼の初めてとなるワイン二本を試飲した。

Terroir 34: Verdejo, Rueda (D.O.)

ヴェルデホデ種、D.O.ルエダ


このワインは“エル・ソチロ”地域に由来する。第四紀の段丘(丸石)の土壌は同時に石灰分を多く含む特異な土壌で、その独創的な特徴をワインに与えている。彼の一作品目となる白ワインは大成功し。それは正に、慎重に選ばれたルエダの土地の丹念に醸造されたワインが醸し出せる真髄だった。
このヴェルデーホ種(100%)は、輝きがあり鮮やかで、緑色の色合いのある麦わら色をしている。その豊かで繊細なアロマはエキゾチック感を醸す柑橘類のバスケット(レモン、グレープフルーツ)のようだ。口に含むと同時に魅力的な白の果実とそのみずみずしさのアロマの花束に魅了される。その後、密だがしかし上品でミネラルを感じさせる長い余韻を口に残す。このワインはその奥深さをより賞味できるようにカラフに移されることもある。これぞ本物の誘惑!

Terroir 34: Tempranillo, Ribera del Duero (D.O.)

テンプラニーリョ種、D.O.リベラ・デル・ドゥエロ

 

このワインは“ラ・オラ”の土壌、バルデラジェグア地域に由来する。ピーター・シセック氏の有名なワイン“ピングス”もこの周辺にある。この地域でブドウ栽培に携わってきた一家族の土地だ。ティント・フィノ(テンプラニーリョ種)100%から作られ、フレンチオーク樽で10ヶ月間熟成させる。その色は激しい。そのアロマは綺麗で、率直で、スパイスや小さな赤い果実を感じさせる。複雑でバランスのとれた味、密だが鮮やか、驚くほどフルーティーでみずみずしい。低分子量で上質のタンニンは果実と上手くマッチし、かろうじて感じられる程度の木質のアロマと特にぴったり合う(良いサインだ!)。口に感じさせる後味は比較的長く、全体として調和の取れた印象を感じさせる。

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